ホクレンが取り組む「もち×キャンプ」って? 北海道産の「おもち」を使った驚くほど美味しいレシピ2品!
『つくる人を幸せに 食べる人を笑顔に』。生産者・農協と消費者をつなぐ、ホクレン農業協同組合連合会は、2023年の夏にひきつづき、北海道産のもち米を原料とする「おもち」をキャンプシーンで美味しく食べて欲しいという思いから、「もち×キャンプ」企画を主催。とはいえ、おもちはお雑煮に入れたり、醤油やきな粉をつけたりなど、お正月に食べるイメージが強い食べもの。しかし、おもちにはまだまだ知られていないポテンシャルがあります。今回は、おもちがキャンプに最適な理由やアレンジレシピのご紹介、ホクレンが取り組む「もち×キャンプ」、おもちに込める想いを取材してきました。
お正月だけじゃない!「もち×キャンプ」をおすすめする理由
「もち×キャンプ」と聞くと、キャンプにもち?どんなレシピがあるの?キャンプでもちを使った調理は難しそう…!と、不安な気持ちが出てきますよね。
今回ご紹介する「もち×キャンプ」のアレンジレシピは、キャンパーでもありフードコーディネーターの舛田悠紀子(ますだ・ゆきこ)さんが考案したレシピです。プライベートでもキャンプを楽しむ舛田さんに「もち×キャンプ」の利便性をお伺いしました。
◉舛田さん おもちは、常温で持ち運びができて日持ちもする。そして、キャンプ場で食べなくて余ったとしても、そのまま持って帰られるところがいいですね。手軽に持ち運びができて、さまざまな料理に使えるのが便利なところです。主食はもちろん、おかずにもスイーツにも。お米は炊かなければいけないけれど、おもちだとそのまま焼けばいいし、腹持ちもよい。お鍋とかにも入れてもおいしいですよね。
[プロフィール]
素敵な笑顔の舛田悠紀子さん。MINY’s KITCHEN代表。Instagramでは夫と娘に作る、おしゃれなお弁当を日々更新。フォロワー1.1万人と大人気のフードコーディネーター。有名Webメディアでレシピをはじめとしたコンテンツづくりや、雑誌撮影のスタイリングなども担当している。共著に『北海道極上キャンプ』(北海道新聞社)がある。
「もち×キャンプ」の基本
「もち×キャンプ」の基本は、まずはそのまま焼いてor 焼肉と一緒にサンチュに挟むこと。そのまま焼いたおもちに砂糖醤油やきな粉はもちろん、焼肉と一緒におもちをサンチュで挟むと、おもちの味わいがガラッと変わって美味しいです。初めての「もち×キャンプ」にぜひお試しあれ!
流行のキャンプギアでアレンジ料理も!
ここでは、舛田さん考案のもちキャンプ飯 2 品をご紹介します。両レシピとも手軽に美味しく作ることができるので、ぜひ挑戦してみてください。
「スキレットで!なすとトマトのもちとろグラタン」
【食材・調味料名】 分量(2人分)
切りもち 3個(約150g)
なす 1本(約70g)
オリーブオイル 小さじ1
ミニトマト 8個
パスタソース(ボロネーゼ) 1袋(約140g)
シュレッドチーズ 適量
【作り方】
① もちは小さい角切りにし9個くらいに切り分ける。なすは縦に3等分に切り、もちの大きさと同じくらいの角切りにする。
② スキレットにオリーブオイルを熱し、 を炒める。
③ なすがしんなりしたらパスタソースを加え、ミニトマトを均等におき、さらにシュレッドチーズをのせる。
④ ふた(なければアルミホイル)をして弱火で7分ほど煮る。
⑤ 仕上げにガスバーナーで焦げ目を付ける
◉ワンポイントアドバイス
市販のパスタソースを使うことで仕込みもいらず簡単に作れます!
「ホットサンドメーカーで!もちあんホットサンド」
【食材・調味料名】 分量(2人分)
切りもち 2個(約100g)
サラダ油 適量
あんこ 大さじ2(約30g)
マシュマロ 2個
【作り方】
① もちはそれぞれ厚さを半分に切る。
② ホットサンドメーカーの内側上下にキッチンペーパーなどで薄くサラダ油を塗る。
③ ホットサンドメーカーに のもちを2枚並べ、真ん中の部分にあんこを塗り、その上にマシュマロを並べる。
④ さらにもちを2枚のせてふたを閉じ、弱火で片面3~4分ほど、ちょうど良い焼き色が付くまで焼く。裏返して同様に焼く
◉ワンポイントアドバイス
キャンプにはチューブタイプのあんこが便利です。火にかける時はおもちの焼き色を見ながら焼き時間を調整してください。
ポイント!舛田さん料理の注意点
外でキャンプ料理を作るときは、風の影響を受けることがあるかもしれないので、風除けがついているギアを使ったり、囲いを使ったりと、火が消えないようにするといいですよ。
もっと気軽にたくさんの人におもちを食べてほしい
北海道もち米の販売やPRを行っているホクレン原材料課を代表し、千葉さんにもインタビューしました。
Q「北海道産もち米」について収穫量・品種・品質について教えてください。
A あまり知られていないのですが、もち米の生産では北海道が国内最大の産地になります。現在、国内では年間およそ30万トンのもち米が生産されていますが、そのうち北海道は4~5万トンになりトップシェアになります。
北海道産もち米の品種は、「はくちょうもち」「風の子もち」「きたゆきもち」「きたふくもち」の4種類があります。はくちょうもち・風の子もち・きたゆきもちの3種類は、時間が経ってもやわらかく、硬くなりにくいのが特徴で、きたふくもちは、硬くなるのが早いという特徴があります。やわらかい品種は赤飯やおこわ、硬めの品種は包装餅や米菓(おかき等)に使用されることが多いです。
もち米の生産に関しては、 “うるち米”と“もち米”の「田んぼ」はしっかり分けなければいけません。うるち米ともち米の田んぼを隣同士にしたり、前年にうるち米を作った田んぼでもち米を育てたりすると、交雑してしまいます。もち米に少しでもうるち米が入ってしまうと、包装餅を作るときにどうしても滑らかになりません。原料の高品質を保つためにも、うるち米の混入を防ぐことは大切なんです。
そこで、北海道のもち米うるち米の混入がないよう、「もち米だけを生産する」という「もち米団地」での生産を行っており、全道で14の農協地域でもち米の団地生産をしています。北海道産もち米は、単純に収穫量が多いだけではなく、団地生産を徹底することで品質・安定した供給を実現。それが高く評価されて、全国で活用されている食材なのです。
Q「北海道産もち米」について、消費量はどのような推移なのでしょうか。
A 一世帯あたりの包装餅の消費量は、全国的に見ても徐々に減少しています。それは「お正月」の過ごし方が関係しているかもしれません。昔は親戚が集まっておもちをつき、みんなで食べるという過ごし方が多かったのですが、近年は各家庭だけでお正月を過ごしたり友人同士で集まったりと、お正月のスタイルが自由になってきているんですよね。そういったことも、おもちの消費量減少につながる要因の一つになるかなと。
また、消費の年齢層に関しては、若年層より高齢者の方が多いです。たしかにおもちって、なんとなくおじいちゃんやおばあちゃんが食べているようなイメージがあるじゃないですか。こんなに美味しいおもちが、年末年始だけ食べる・若い人たちが食べないというのは正直もったいない。今までのおもちのイメージをどうにか払拭させて、もっと若い人にも食べてほしいと思っています。
Q 今回の「もち×キャンプ」の取り組みについて教えてください。
A 今回の「もち×キャンプ」の取り組みは、もちはキャンプやバーベキューでも大人から子どもまで美味しく食べられる、非常に便利な食材ということを知ってもらって、お正月だけではなく日常的に、美味しく食べてもらうのが目的です。
私自身もシーズンには月1~2回のペースでキャンプを楽しみますが、食材セットの中には缶詰等と一緒に常におもちを入れています。網で焼くだけでなく、鍋料理に入れたり、ホットサンドメーカーでバターと一緒に焼いて、蜂蜜をかけてスイーツ感覚で食べたりできるし。おもちは万能な食材なんですよ。
ホクレンでは「もち×キャンプ」の取り組みの他にも、北海道から新たな「もち食カルチャー」を切り開くため、道内にある菓子メーカーなど5社とタッグを組み“OMOCHI革命”というプロジェクトを立ち上げて「もち米スイーツ」を開発したり、11月23日「お赤飯の日」に合わせてお赤飯商品の販促を全国各地で実施してお赤飯の消費拡大を盛り上げたり、スポーツイベントでもち米使用商品を配布して「エナジーフード」としてのもち食を実感してもらったりなど、さまざまな取り組みをしています。
ぜひみなさんも、アレンジレシピなどを活用して、「おもち」を美味しく味わってください!
企画/平井雄大(ブレナイ社)
取材・執筆/タカマツミキ(アウトドアライター)
料理撮影/中嶋史治(ブルーカラーデザイン)
ロケ協力/八剣山ワイナリー焚き火キャンプ場
※インタビューの内容は2023年のものです