バーベキューに消毒用アルコール使用は危険なので絶対におやめください

福岡県の専門学校でバーベキュー中に、学生の衣服などに火が燃え移り男子学生が死亡した事故が発生しています。
 学校によると、金属製の箱形の調理器具に炭を入れて火をつける際、教職員が着火剤や新聞紙にアルコールを染み込ませ、理事長や副理事長らが着火用ライターで点火。約10分後、調理器具の火勢を強めようと男性教員が炭に直接アルコールを加え、一気に火が燃え上がったと言います。

以下、毎日新聞で報道された内容を転載いたします。

 消毒用アルコールをバーベキューの火おこしや火の勢いを強める目的で使うことはどれほど危険なのか。総務省消防庁危険物保安室の担当者は「あり得ない使い方だ」と強調する。

 同室によると、アルコールは蒸発しやすく、可燃性蒸気が発生するため、火に近づけただけで急激かつ爆発的に燃え上がる。可燃性蒸気は目に見えず、燃やそうとした対象だけでなく、周囲の人などに引火する危険もある。担当者は「アルコールは火に近づけてはならず、火おこしに使うなんてもっての外だ」と話す。

 過去にも同様の事故はあった。消費者庁によると、2022年5月に起きた事故では、バーベキューでガスバーナーによる着火ができなかったため液体のエタノール(アルコールの一種)を火に向けてまいたところ、40代の人に引火し全身をやけどして入院した。

 バーベキューでは着火剤による事故も後を絶たない。独立行政法人「製品評価技術基盤機構(NITE)」によると、1996年以降、全国で少なくとも11件の着火剤による事故が起きた。子どもがやけどしたケースもあり、着火剤のつぎ足しが原因となったものが目立つ。担当者は「早く火をおこしたいのは分かるが、つぎ足しは危険だ」と強調し、「新型コロナで控えられていたさまざまなイベントが復活し、バーベキューの機会も増える。取扱説明書をよく読み、改めて注意してほしい」と呼びかける。

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